はぐれたらどうするのと言ってからは六人の最後尾に付いたらしく僕の視界から綺麗に消えていた。最初からそうしていればよかったんだ、きょろきょろ落ち着きがないの目障りなんだから。清々とした気持ちでスタスタと歩みを進める。前方では一角や乱菊さんが何か言い合いをしていた。
一護の霊圧を探ると徐々に近付いているのがわかる。まあ近付いてようが遠ざかってようが僕はこの団体にくっついていくけど。おそらく日番谷隊長以外は勘で進んでるだろうし。


「で、どこなんだ」
「知らなーい」
「いやあ…ほら、向こう出るときメモ持ってたじゃないスか」
「なくしちゃった」
「何やってんだ!」
「てゆーか、恋次が案内しなさいよ。現世の通なんでしょ?」
「自分だって来たことあるじゃないスか」
「あたしは一瞬だけだもん」
「つべこべ言うな。霊圧探りゃいいだろ」
「どーでもいいがこんな服よく着るな現世の奴らはよォ!」
「制服っつって、こっちの学生は着る義務があるんスよ」
「学習したのよねえ」
「…ほっといて下さい!つーかあんたのそれ、何か間違ってる」
「にしても窮屈な服だなァおい!」
「じゃあ僕たちみたいにシャツの裾出せばいいのに」
「馬鹿言えェ!そんなことしたら腰紐に木刀刺せねえじゃねえかよ」
「あいや、木刀も間違ってると思うんスけど…」
「うるせえ!大体てめえらが真剣駄目っつーから木刀で我慢してやってんだぞ!」
「僕らが言ってんじゃないの。現世の法律が言ってんの」
「意味わかんねえよ真剣が駄目ってどーいう法律だそらァ」


あーほんと一角って頭硬いよねえ駄目って言ったら駄目なんだから従えばいいのに全く。「うるせえぞおまえら……騒ぎにしたくねえならまず静かに歩け」ほら日番谷隊長怒っちゃったじゃないか。
そういえば、乱菊さんに言われたのかやられたのかのスカートがやたら短かったのが気にかかっていた僕は(べつに変な意味はない。見苦しかったから)一護に会う前にそれを正そうと後ろを向いた。「」………。


「……日番谷隊長」
「なんだ」
が消えました」
「はあ?!」


いや僕は悪くない絶対悪くないだって忠告したじゃないかほんと帰れ尸魂界に帰れ。


「もういい。綾瀬川、黒崎との接触が終わり次第捜しに行け」
「な、んで僕が…!」
「よっ保護者!」
「誰が保護者だ!」
「着いたぞ。この部屋だ。ほら、開けろ」


やっぱり連れてこなきゃよかった。


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