(My Favorite Song/ELLEGARDEN)
「無装飾」番外編



蓄音機の針をレコードに置くと軽快な音楽が流れ始める。それに満足気に頷いて、近くのイスに腰掛けた。

どうやら今日はいつも以上に寝坊をしてしまったらしい。目が覚めたときには太陽は既に空の一番高いところでさんさんと照っていて、のんびり起き上がって頭を掻いたのは三十分前のこと。とりあえず死覇装に着替えるだけして、しかし隊首室を出ようとは思わなかった。しゃーないわ、今日はサボりや。

近くの窓を開けてみるとまったくの快晴だった。こらホンマ仕事しとる場合とちゃうで。いい気分のまま外を眺めていると、五番隊隊士が何人か歩いてるのが見えとっさに隠れる。見つかって執務室に連行されるのは避けたい。惣右介は今日他隊の手伝いで朝から任務だし、も小隊長として現世に出向いている。執務室に行っても何も楽しいことはないし、そのくせ仕事は山積みだろうから行くだけ退屈だ。書類は明日惣右介に任せて、せや、今日は精霊廷の新しくできた甘味処に行こか。
思い立ったが吉日と立ち上がった、瞬間、襖がパンッと開かれた。……随分勢いええな。


「よォ
「もう昼なんですけど」
「おん」
「こんなとこで何やってるんですかコラァ!!」
、任務はどないしたん」
「終わりましたよ!終わらせて帰ってきたら執務室誰もいなくてびっくりしたわ!」
「惣右介もサボりか〜珍しいのォ」
「任務ですよね知ってます」
「おお」


さすが三席、だてに事務仕事任されとらんなァ。褒めるとぎろりと睨まれた。おお怖。「早く戻りますよ、書類山積みなんですから」「ええやん、明日でも間に合うやろ」そうだ、今日という日はまだ半分も残っている。このまま執務室に缶詰めなんて気分には到底なれない。止めていた足を動かす。目を見開くの手を引っ張って、そのまま隊首室をあとにした。


「ちょっと!」
「付き合うてやー」
「は?!」


そりゃあ俺がやらないといけないことは、事務仕事や任務の他にもややこしいことがたくさんあるのは間違いない。それでも、できるならすきなことだけをしていたいと思う。といるとそういう気持ちが満たされるのは相変わらずだ。