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(Perfume/GLITTER) さんとはしょっちゅう馬鹿話をしてつるむ仲だった。自分でも交友関係は割と広い方だと思っているけれど、その数多い女友達の中でも彼女とは特によくつるんでいたし、他の奴らにもよく一緒にいるよなと言われたこともあった。男の中で彼女と一番しゃべるのは俺だと思う。最初は特に意識していなかったけれど、最近じゃ好んで彼女に話し掛けにいくようになっていた。 「原くん今日は部活いいの?」 「んー。もうテスト週間だから部活停止」 「あーそっかー」 彼女はその邪気のなさから周りの友人からの信頼は厚く、けれど俺とつるむくらいには正義感とかそういう類のものがどこかずれていた。「テストかあーやだなあ、憂鬱だー」椅子の背もたれに寄り掛かりながらそう零すさんの前の席に座る俺は、椅子を逆向きに座って机に肘をついた。 「さんバカだからね」 「今回は超頑張るよわたし。全教科平均とる」 「なにそれ無理ゲー!」 「無理じゃないし!」 さんは冗談抜きで学力的にバカだ。どうして霧崎入れたんだろうとちょっと疑問に思うレベルで頭が悪い。それに学力だけじゃなく言動もバカと言わざるを得ない。彼女は無茶なことを口にしては何でもきっとできるはずとか、やんなきゃきっと変わんないだとかのたまうので、その度俺はバカな人だなあと思う。思いながら、そんなことを言っているさんを結構楽しく眺めている。そうだそれが正しい、いい心がけだ、って他の奴だったら思うのだろうけれど、俺は思わない。邪気がないというよりは、ただの考えなしのバカなだけだ。 本当はこういう根拠もない前向きな物言いする奴とか、嫌いなんだけど。さんという生態の観察は飽きないから、と理由付けるだけして決してはっきりさせないまま、俺はこんな密かな楽しみに高校生活を一日一日と費やしているのだった。 「いい匂いがする。今日はグレープだね」 「いる?」 「いるいる。ねえ原くんガム噛みすぎてお腹下さないの?」 「なったことないね」 「強いな。アイアンストマックだ」 どこで覚えたかわからないけれど彼女は楽しそうに言いながら、チューインガムを受け取ると帰りのホームルームで配られたプリントに「AI」と書き、しばらく固まって、そのあと線を引いたと思ったらカタカナで単語を連ねた。「 彼女と過ごす時間はわりかしすきだった。こんなこと言うのはとてもダサいけれど、なかなかにキラキラしているんじゃないかと思う。彼女が持っているシャーペンを、わざと一回手を包み込むようにして握ったあと、するりとそれだけ抜いた。触れた瞬間びくっと固まったさんに内心満足しながら、見せつけるようにスラスラと英単語を書き綴る。からかうのも悪くない。漠然と、ずっと続けばいいと思う。 なんだかんだ多分、俺はさんを過去にしたくないんだろう。 |